「ボランティア全国フォーラム2024」を開催しました!

2024年10月4日更新

【日 程】2024年9月7日(土)▶ 8日(日)

【会 場】 宮城県仙台市

7日(全体会):東北福祉大学国見キャンパス

8日(分科会):東北福祉大学ステーションキャンパス

                   ※初日(全体会)のみオンライン参加可能

 

1994年に設立された「広がれボランティアの輪」連絡会議は、ボランティア活動の推進・振興につなげるための環境・気運づくりを行っており、2024年に創設30周年を迎えました。

これまでのボランティア活動を振り返るとともに、日本の災害ボランティア活動の転機となった東日本大震災の被災地で、これまでのボランティア活動を振り返り、明日のボランティアを考える機会として、「ボランティア全国フォーラム2024」を開催しました。



プログラム

97日(土)】

<第1日:全体会> 東北福祉大学 国見キャンパス(オンライン配信あり)

オープニングアクト・開会式(~13時20分)

オープニングアクトとして、東北福祉大学サークルの混声合唱団とGenkiとどけ隊が出演し、会場を盛り上げました。

開会式では、上野谷会長が主催者を代表し、参加者や東北福祉大学、地元社協を始めとする関係団体への謝辞を述べ、「互いに助け合いながら学び合うことを続け、仲間として一緒に進んでいきたい」とあいさつしました。共催の東北福祉大学からは千葉公慈学長が登壇され、「いまの災害時のボランティア活動は、広がれボランティアの輪連絡会議による取り組みの成果であり、心から敬意を表したい」と感謝の言葉を述べられました。



記念講演(13時20分~14時20分)

「私にできること」をつなぐ

村木 厚子さん(全国社会福祉協議会 会長)

 村木さんの厚生労働省時代から、累犯障害者や若い女性の支援等の市民活動、数々の全国団体の運営に携わるなかで学んだ、多様な人々が生きやすい社会をつくるために大切なことについてお話しいただきました。行政や企業が力を持っていたこれまでの行政依存型の社会から、第3のセクターであるNPO・NGOもしっかり力をつけて、その3者の真ん中に自立した市民がいるとう市民自立型社会に変えていくことが重要との指摘がなされました。



シンポジウム(14時40分~17時10分)

ボランティアは文化として社会に定着したか ~「広がれ」の実践を通じて語り合う~

【第1部:パネルディスカッション】

〈パネリスト〉

阿南 健太郎さん(こども家庭庁成育局成育環境課 課長補佐)

永井 美佳さん(大阪ボランティア協会 事務局長)

諏訪 徹さん(日本大学文理学部 社会福祉学科 教授) 

〈コーディネーター〉

田尻 佳史さん(「広がれ」常任幹事/日本NPOセンター常務理事)

〈コメンテーター〉

山崎 美貴子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 顧問)

都築 光一さん(東北福祉大学 教授)



【第2部:キーノートスピーチ+鼎談】

〈スピーカー〉

藤原 睦己さん(NPO法人KEYS/島根大学法学部)

久保田 翠さん(NPO法人クリエイティブサポートレッツ)

平沼 仁実さん(医師・家庭医/医師焼き芋@東京国分寺市)

小田 若奈さん(社会福祉法人 中央共同募金会 職員)

〈鼎談登壇者〉

勝部 麗子さん(豊中市社会福祉協議会 事務局長)

永田  祐 さん(同志社大学 社会学部 社会福祉学科 教授)

上野谷 加代子さん(「広がれボランティアの輪」連絡会議 会長) 


 第1部では、30年間のボランティアを取り巻く環境の変化を振り返りました。災害を契機として、ボランティア活動や活動を支える体制が拡充・強化されてきた経緯がありました。

 第2部では、地域でのボランティア・市民活動の実践者や支援者4人に、活動内容やその想いについてお話しいただきました。鼎談では、これからの時代にボランティア活動をどう活性化していくかという上野谷会長からの問いかけに、勝部さんは「今、自治会やPTAなど既存の団体が衰退してきている。楽しくリニューアルしていくこと。誰もが参加できる社会参加の機会を増やしていくこと」、永田さんは「その人の病気や障害などにだけ目を向ける“支援対象者化”が進んでしまい、専門職は制度に当てはめようとしてしまう。ボランティア活動が、その人の個性を大事にして地域で活躍できる場をつくれば、地域も変わっていく」とそれぞれ指摘するとともに、ボランティア活動を支援する共同募金活動に対しさらなる期待が寄せられました。最後に永田さんから、「広がれ」がこの度まとめた『今後のあり方検討委員会報告・提言』に触れ、社会に対する発信力強化と、構成団体間の連携・協働の取り組みの促進をめざすことが報告されました。

 


9月8日(日)】

<第2日:全体会> 東北福祉大学 ステーションキャンパス

企画・運営するそれぞれの団体の創意工夫にあふれた分科会となり、全国から参集した参加者間で活動実践を共有したり、課題や今後の取り組みに向けて活発な意見交換を行ったりしました。この二日間での学びを糧に、それぞれの地域での参加者のさらなる活躍とボランティア・市民活動の発展を願い、フォーラムを閉会しました。


第1分科会:学生ボランティアを展望する

 学生ボランティアは、日常的な活動として福祉施設や地域活動、さらには手話サークルや公的機関等による社会実験、市民への啓発活動などさまざまな場において、活動の幅に広がりをみせていることから、より一層の参加しやすさが求められてきています。本分科会では、学生ボランティア活動の参加のしやすさについて、その課題等を考えました。

〈登壇者〉

齋藤美咲さん(東北福祉大学 Genkiとどけ隊/東北福祉大学 教育学部教育学科 3年生)

櫻井渓さん(東北福祉大学 健康科学部医療経営管理学科 3年生)

菅井万緒さん(東北福祉大学 総合福祉学部福祉行政学科 4年生)

〈コメンテーター〉

舩渡忠男さん(東北福祉大学 健康科学部 学部長・教授)

〈コーディネーター〉

金義信さん(東北福祉大学 特任准教授)

第2分科会:プロボノの力 ~専門性を活かした企業とボランティアのいい関係~

 本分科会では、近年めざましい成果を上げている企業人のプロボノ活動について考えました。プロボノに関心ある企業側、プロボノを受け入れることに関心ある市民活動側双方の思いを理解し、関係を構築するため、それぞれの先進的事例を共有しながら考えることで、プロボノが企業側、市民活動側双方にとって身近なものとなり、自分事として日ごろの活動に活かしてもらうための機会となりました。

〈登壇者〉

佐藤佑介さん(AKIMATE holdings株式会社 / 秋田マテリアル株式会社)

永岡鉄平さん(NPO法人フェアスタートサポート)

〈コーディネーター〉

永井美佳さん(大阪ボランティア協会)

第3分科会:誰もが心地よく暮らせる地域づくり ~空き家リノベーションからエリア・リノベーションへ~

 本分科会では、東日本大震災の津波被害というピンチをチャンスに変えるために、「直してみんか!」を合言葉に、有志や市民を巻き込んで歴史ある被災家屋の改修、空き家の改修等を通じて、住民主体による地域づくりに取り組み、エリア・リノベーションの推進を提唱する講師らを招き、それらの取り組みを事例に、誰もが心地よく暮らせる地域のあり方、それをつくりあげるための人の参加やその仕組みづくりについて考える機会としました。

〈登壇者〉

豊田善幸さん(NPO法人中之作プロジェクト 副代表(一級建築士))

金志明さん(NPO法人ブエンカミーノ 事務局長)

〈コーディネーター〉

上田英司さん(NPO法人日本NPOセンター 事務局次長)

第4分科会:孤独や孤立をふせぐ豊かな地域づくり ~つながりを紡ぐボランティアの役割~

 本分科会では、孤独・孤立の要因となり得るさまざまな社会的課題を取り上げ、地域やボランティアにはどのような役割が求められるのか等について、今後の取り組みへの意識共有を図りました。

〈登壇者〉

荒川陽子さん(NPO法人地域生活支援オレンジねっと 理事長)

石井正宏さん(NPO法人パノラマ 理事長)

平野覚治さん(一般社団法人全国食支援活動協力会 専務理事/老人給食協力会ふきのとう 代表/社会福祉法人ふきのとうの会 理事長)

〈コーディネーター〉

高橋良太さん(全国社会福祉協議会 地域福祉部長/生活福祉資金貸付事業支援室長/全国ボランティア・市民活動振興センター長)

第5分科会:災害時のボランティア活動を考える

 本分科会では、東日本大震災時にボランティア活動を支えた災害ボランティアセンターの取り組みや、その後の度重なる自然災害における災害ボランティア活動の取り組み、そして今現在も続いている能登半島地震の最前線での活動報告を踏まえて、災害時のボランティア活動の進化や深化について考えました。また、グループワークでは、災害時のボランティア活動に対する期待やこれからの活動について参加者とともに考えました。

〈登壇者〉

春由美さん(社会福祉法人仙台市社会福祉協議会 地域福祉部地域福祉課 ボランティア協働係)

加藤大介さん(社会福祉法人 大崎市社会福祉協議会 事務局次長 兼 総務福祉部長)

阿部由紀さん(一般社団法人BIG UP石巻(びがっぷ いしのまき))

清水冬樹さん(東北福祉大学総合福祉学部社会福祉学科)

〈コーディネーター〉

菅原里江さん(東北福祉大学)

第6分科会:【しゃべり場】人生100年時代のボランティアを語り合おう!

 コロナで元気をなくしたり、メンバーの高齢化で先行きが不安になっているボランティア(グループ)の皆さんや、それをどうサポートしたらいいのか悩んでいるコーディネーターの皆さん等が一緒になって、人生100年時代のボランティアの未来のことを話しました。

〈コーディネーター〉

小原宗一さん(認定NPO法人日本ボランティアコーディネーター協会 副代表理事/社会福祉法人北区社会福祉協議会 地域福祉係長)